土地や住宅などの不動産を遺産として承継し、所有者の名義を書き換えることを相続登記といいますが、その手続きはなかなか複雑です。というのも、相続人が1人だけの場合ならまだ良いのですが、複数で所有権を引き継ぐとなるといろいろなパターンがあるからです。全員で共有名義にする、土地を分筆してそれぞれが個別に所有するなどのほか、いったん相続したうえでただちに売却したりする場合もあります。相続人同士であとあとトラブルにならないようにするとともに、第三者に権利を正しく主張するには、内容・手続きともに正確に登記を行う必要があります。
このように、たとえマイホームの購入などで登記の経験がある人であっても、相続登記を独力で行うのは簡単ではありません。そこで専門家のサポートが大きな力となってくれるわけですが、推奨されるのが司法書士の活用です。司法書士は不動産登記や会社登記などにおける手続き代行や指導・助言などを主たる業とする専門職で、国家資格がなければ携わることができません。また、公的な性格を持つ文書の作成にも関与することができます。
司法書士の力を借りれば、難しい相続登記の手続きもスムースに行うことができます。増改築を重ねるなどして登記簿と実際の物件の現状が合っていない、などの事実が判明した場合でも、司法書士であればその原因を究明したうえできちんと修正するための方法を提案してくれます。隣接地との境界があいまいなままになっていた、などの場合も同様に解決のためのアドバイスがもらえます。